その後
「……いえんな」
伝蔵は生徒への授業を行うべく校庭へと向かっている。
夜葉の話していたことは遥か昔利吉から聞いたことではあった。
夜葉は知らなかった様だが、実は利吉は夜葉が忍術学園に通うと同時に忍術を伝蔵の妻が教えていたのである。
忍びとしての歴史は二人は同じであったのだ。
だが、それを言うのも今更かとも思うし、忍具や術を学んだ期間が同じとはいえ、利吉は夜葉よりも年下である。確かに夜葉の成績を思い起こせば利吉の方が上だったと酷なようだが評価する。
「夜葉くんねえ、先生になったんだなあ」
伝蔵から見れば利吉も夜葉もまだまだ子供である。
立場というものが歳月を伝蔵に感じさせた。
(先生!見て下さい!)
化粧の成績は最下位だったのになあ……